会長挨拶
日本転倒予防学会第12回学術集会を開催させて頂くにあたり一言ご挨拶を申し上げます。
この度、日本転倒予防学会 第12回学術集会を 令和 7(2025)年 10 月 4 日(土)・ 5 日(日)の 2 日間、Gメッセ群馬にて開催させいただくことになりました。
本学会が2014年に10月10日を「転倒予防の日」と制定したまさにその日を、厚生労働省(2021年)も推奨し、転倒を災害と位置づけると共に職場における転倒予防として安全で安心な職場づくりに取り組むよう社会や企業に向けて発信を開始しました。転倒の要因は内的・外的・行動の3つの要因が重なりあい偶発的に発生する災いであり、超高齢社会においては要介護状態の大きな要因となっていることからも、転倒は現代社会の大きな課題であり予防への注目度が益々高まっております。
また転倒は人生のライフステージにおいて誰もが経験しており、在宅・地域・学校・職場・病院・施設といったあらゆる場所での転倒予防の重要性への認識と共に注意喚起がされつつあります。今こそ人々の転倒予防に対する認識を具体的な行動へ対峙するには、転倒リスクの観点から環境整備や疾病予防といった専門職の視点を地域や社会に浸透させる必要があると考えます。また継続的な取り組みへの強固な形にするには、転倒予防指導士や医師、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、薬剤師、介護福祉士などの医療・福祉職や産官学のそれぞれの専門家など異なる専門性を持った専門職が、互いの専門性を持ち寄り一般市民を交えた議論を重ねることが実現へ近づく重要な歩みと考えております。
学会の開催地である群馬県は、古くは奈良の時代から桐生織りに代表される絹織物が盛んでした。また世界遺産の富岡製糸場の女工の手から繰り出される撚糸は、高い品質が世界で評価されていました。このように1本1本の細い糸をよりあわせる撚糸となった糸が、縦と横に折り重なり美しい布に変わっていく様を模し、専門性を持った一人ひとりの英知が結集され、重なり、頑強となることへの願いを込めて、テーマを「転倒予防の未来を描くー多職種で織りなす地域包括連携―」とし本学術集会のコンセプトとしました。
佐賀での第11回学術集会の主旨を受け継ぎ、第12回大会は幅広い分野における多面的な見方や実践をもって、多方面にわたる転倒予防の課題と正面から向き合う企画を準備し、参加者の皆様に役立つ学術集会にしたいと考えております。
2024年11月吉日
日本転倒予防学会 第12回学術集会 会長
梅原 里実 (高崎健康福祉大学保健医療学部看護学科 教授)
上内 哲男 (独立行政法人地域医療機能推進機構東京新宿メディカルセンター 理学療法士長)